スタッフインタビュー

正解がないからこそ、ていねいに向き合い続ける
長谷川 江美子
介護には「これが正解」という形はなく、利用者さん一人ひとりの状況や私たち自身のコンディションによって対応が変わります。
だからこそ、試行錯誤を続けながら、丁寧に向き合うことが大切だと感じています。
さまざまな福祉の現場で積み重ねた経験
これまで、ボランティアを含めてさまざまな福祉の現場で経験を積んできました。特別支援学校での水泳教室や障がい者向けの訓練施設での支援活動、訪問介護、児童クラブなど、幅広い現場で学びながら、多くの人々と関わってきました。
また、趣味としてアロマやネイルが好きで、それを取り入れたケアも行っています。ネイルについてはスクールに通い、技術を学んだ経験があります。
かむしぃでも、利用者さんが少しでもリラックスできるよう、アロマオイルを使ったハンドマッサージや福祉ネイルを提案し、実際に行なったりしています。
認知症の方がいる介護施設で感じた難しさ
過去に働いていた認知症の方がいる介護施設では、予想以上に難しい状況に直面しました。認知症の特性上、一般的なコミュニケーションが成り立たず、利用者さんの予期しない行動や感情の変化に対応する必要があり、そのたびに戸惑いや悩みを抱える日々でした。
夜勤では一人対応が求められるシフトもあり、利用者さんの安全を確保しながら複数の状況に目を配らなければならない環境は、心理的にも体力的にも非常に大きな負担となりました。
「認知症の特性や行動をきちんと理解していれば、もっと適切に対応できたはず」と自分を責めることもありましたが、その一方で、時には心にもない言葉を投げかけてしまい、自分を見失いそうになる瞬間もありました。寄り添いたいという思いを抱えながらも、利用者さんの利益を十分に守れない現実に直面することもありました。
その背景には、現場の限られたリソースや、運営面でのさまざまな課題が影響していたように感じます。これらの問題は、自分一人の努力では解決が難しく、会社や同僚とも打開策を見いだせないまま悩むことが少なくありませんでした。
家族がつないだご縁、かむしぃでの新しい歩み
そんな中、家族との会話がきっかけで、ここで働くご縁をいただきました。
「今までの経験を活かすなら、かむしぃさんでの仕事が合うんじゃないか」と背中を押してくれたのです。
代表の石毛さんは、若い頃に大きな事故で受傷しながらも、自ら事業を立ち上げ、福祉の現場で活躍を続けてきました。その姿はわたしたちにとっても星のような、人生の希望や指針を感じさせてくれる存在です。
「かむしぃ」の冊子には、石毛さんのこれまでの歩みや活動がまとめられています。自分らしく生きる姿勢や、状況にとらわれず、自分の中にある可能性を広げていけることを感じ、読むと前向きな気持ちになります。
だからこそ、かむしぃを利用される皆さんの生活をなんとか支えたいし、持っている可能性をもっと引き出したい。私自身も仕事を通じて自分の基盤を築きながら、支え合える存在でありたいと思っています。
かむしぃの職場環境
かむしぃで働いて感じるのは、利用者さんの利益を大切にしながらも、スタッフが働きやすい環境を整えてくれるところです。利用者さんのご要望にできる限り応えつつ、スタッフが無理をしないよう配慮されているため、安心して仕事に向き合うことができます。
また、それぞれが自分の役割を意識しながら協力し合い、気づいたことを共有したり、意見を出し合ったりすることで、より良い職場環境を作っていけると感じています。
夜勤の日々と朝の特別な時間
現在、私は主に夜勤のシフトに入っています。夜勤は12時間の勤務で、夜を安心して過ごせるよう見守りやサポートが主な仕事です。待機の時間もありますが、利用者さんの状態に合わせて適切に対応することが求められるため、気を抜くことはできません。
夜勤明けの朝は、私にとって特別な時間です。疲れていても、朝日を見た瞬間に少し報われたような気持ちになります。特に晴れた日の朝は気持ちが救われるようで、太陽の光を浴びると、「今日も頑張ろう」と思えるんです。
この気持ちを共有したくて、夜勤明けに撮った朝の風景をかむしぃのX(旧Twitter)に投稿することもあります。よければ、ぜひのぞいてみてくださいね。

かむしぃで学んだ「ていねいに生活する」ということ
かむしぃで働く中で、「ていねいに生活する」という本当の意味を考えるようになりました。
障害当事者の方々が、一つひとつの行動を大切にされている姿勢に触れるたびに、その積み重ねが生活の質を大きく左右することを実感します。例えば、歯磨きのような日常的な行為も、少しの油断が健康に影響を与える可能性があります。私たちにとって「ちょっとぐらい大丈夫」と思えることでも、それが大きな問題につながりかねないのです。
これは、特別な意識を持っているからではなく、「必要だから」こそ身につけた自然な「ていねいさ」なのだと思います。
その姿に触れることで、私も「日常の中で自分が何を大切にしているのか」を考えるようになりました。少し手間に感じることでも「ちゃんとやっておこう」と思えるようになり、「このくらいでいいか」と済ませることが減った気がします。
こうした「必要から生まれたていねいさ」に学び、私もその影響を受け、自分の生活や仕事の仕方を見つめ直すきっかけをもらえたと感じています。
介護に「これが正解」という形はないのかもしれない
かむしぃで働き始めた当初、求められることが細かくて、「これは自分には向いていないかもしれない」と思うことが何度もありました。「もう無理、できない」と感じる場面もあり、正直、やめようかと悩んだこともありました。それでも、もう少し頑張ってみようと思いとどまり、続けてきました。
その中で気づいたのは、介護には「これが正解」というものがないかもしれないということです。
利用者さん一人ひとりの体調や状況、季節や天候、介護する私たち自分自身のコンディションによっても、ベストな対応は変わっていきます。
だからこそ、常にコミュニケーションを重ね、試行錯誤しながら続けていくことこそが大切なのだと思います。

利用者さんの外出サポート
夜勤以外に、利用者さんの外出サポートも担当しています。
車を運転してくれるスタッフの方と一緒に、私と利用者さんの3人で行動することが多いです。スーパーでのお買い物や病院への付き添いなど、日常生活を少しでも安心して過ごしていただけるよう、サポートをしています。
外出は、利用者さんの暮らしをそっと支える大切な時間だと思っています。
一緒にお買い物をする中での何気ない会話や、病院の付き添いでのちょっとしたサポートが、安心感や暮らしの小さな支えにつながってくれたらと思います。



支え合いながら、より良い介護を目指して
訪問介護は基本1対1で行うお仕事なので、どうしても空気が悪くなったり、気まずい気持ちになることもあります。時々「1人でやることの限界」を感じる場面もあります。以前、認知症の施設で働いていたときも、同じような感覚を覚えたことがありました。
最近ふと、「バディ制」みたいな仕組みがあったらいいなぁと思うことがあります。
例えば、ヘルパー2人1組で動ける体制があれば、1人が利用者さんのケアをしている間に、もう1人がカバーに回ったり、冷静に状況を見てフォローできるんじゃないかなと思います。特に認知症のケアでは、もう1人いることで気持ちが楽になる場面がたくさんあるように思います。
消防士や救急隊のように、常にチームやペアで動く職業がありますよね。あの体制を見ると、介護の現場でも同じような仕組みがあればいいのになぁと思います。メンタル的にしんどいときにはバディがカバーし、体力的に疲れたときには交代で対応する。そんな体制があれば、1人で抱え込まずに済むので、もっと気持ちに余裕を持って働ける気がします。
もちろん、介護保険の仕組みや、人件費やシフトの調整など、簡単ではないことも分かりますが、こうした仕組みができれば、もっと楽しく安心して働けるのになぁ、と日々の中で感じています。
さまざまなきっかけで介護の仕事へ
介護職に就く方の中には、自分のおじいちゃんやおばあちゃんが好きで、彼らのお世話をしているうちに「介護の仕事がしたい」と思って、この仕事を選ぶ方がいます。ほかにも、お子さんが障害をお持ちで、その経験から介護や支援の仕事に携わるようになった方、ご両親が病気がちで、病院に通う中で看護師さんに助けられた経験から「看護師になりたい」と思った方など、本当にさまざまな背景や想いを持つ方が多いと感じます。
それに比べると、私は特別な理由はありませんでした。最初は目指すことや深い思い入れがあったわけではありません。
でも、今思えば、私の娘は現在、発達障害の児童を支援する仕事をしています。もしかすると、私が介護の環境で働いてきたことが、気づかないうちに家族など、周囲に影響を与えていたのかもしれません。
介護の仕事は、特別なきっかけや経験がなくても、日々の中で利用者さんやスタッフとのつながりを感じ、少しずつやりがいや喜びを見つけられる仕事です。「かむしぃ」では、そんな介護の現場で一緒に働く仲間を募集しています。少しでも興味を持たれた方は、ぜひ私たちのことを知っていただけたら嬉しいです。

日常を支える重度訪問介護の役割
松井 久美
重度訪問介護は、特別なことをするのではなく、利用者さんの暮らしに欠かせない日々の時間を支える仕事です。
明け方の静かなひとときや何気ない日常の動作を通して、その人の生活の一部となりながら、暮らしを支える役割を担っています。
介護職員・サービス提供責任者・パートスタッフ募集
未経験の方も、介護の経験を活かしたい方も大歓迎!
「新しい環境で挑戦してみたい」「もう一度介護の仕事を始めたい」そんな想いをしっかり受け止める職場です。
正社員・パートどちらも募集中ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お電話でのお問い合わせ