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重度の障害とともに、一人で暮らすということ

重度障害があっても、暮らしは組み立てられる

重い障害があると、一人では暮らせないと思われることが多いかもしれません。

家族が介護している、または施設で生活している。
そうしたイメージを持たれることも少なくありません。

でも実際には、必要な支援を受けながら、一人で暮らすこともできます。
私自身も、重度訪問介護という障害福祉サービスを利用しながら、自宅での生活を続けています。

これは特別なことではなく、制度として認められている暮らし方のひとつです。

重度訪問介護とは

重度訪問介護は、重い障害がある方が自宅で暮らし続けられるよう支援する、障害福祉サービスのひとつです。

対象は障害支援区分4以上(原則18歳以上)の方で、食事・排泄・移動・入浴などの身体介護や家事支援に加えて、「見守り」も含めた長時間の支援を組み立てることができます。

介助は日中・夜間を含めた形で柔軟に組むことができ、介護士(ヘルパー)が交代で生活を支える体制が基本となります。

費用は原則1割負担で、世帯の収入状況に応じた負担上限も設定されています。

障害があっても、暮らし方はいろいろある

重度訪問介護を利用して地域で暮らしている人には、さまざまな生活のかたちがあります。

たとえば、医療的な支援を日常的に必要としながら、自宅での暮らしを続けている方。
常時の介助を受けつつも、地域の中で外出や趣味を取り入れている方。
言葉や行動のやりとりに特性がある方が、自分のペースに合った形で生活しているケースもあります。

それぞれが、自分の状態や希望に合わせて、支援を組み立てながら暮らしています。

重度訪問介護の利用までに必要な準備と手続き

重度訪問介護は、必要な人にとって非常に大きな支えになる制度ですが、実際に利用するまでにはいくつかの手続きや調整が必要です。

■ 支給決定を受ける

まず、お住まいの市区町村で「障害支援区分」の認定を受けたうえで、重度訪問介護の支給決定を申請します。

原則として区分4以上(一定条件下では15歳以上から対象)の方が対象になります。

ただし支給内容は自治体によってばらつきがあり、制度への理解や予算状況、担当者の経験などにも左右されます。

そのため、申請には主治医の意見書や、家庭環境・医療的ケアの有無など、「必要性」や「切迫性」を具体的に示すことが重要です。

■ 実際にサービスを開始するには

支給決定後、すぐにサービスが始められるとは限りません。以下のような条件がそろっている必要があります。

  • 対応可能な事業所が地域にあること
  • 重度訪問介護に対応できるヘルパーが確保できること
  • 時間帯に応じた支援体制(とくに夜間・長時間)が整えられること
  • 相談支援専門員やケアマネージャーとの連携が取れていること

さらに、医療的ケアが必要な場合や行動支援が必要な場合には、ヘルパーの配置や人数体制に特別な配慮が必要になることもあります。

■ 現実的なハードル

  • 制度を理解している担当者が少ない自治体もある
  • 支援時間数によって生活の自由度が大きく変わる
  • 支援の枠は取れても、人材や事業所が不足している地域もある

これらを乗り越えるには、制度に詳しい支援者との連携や、必要性を粘り強く伝えていく姿勢が求められます。

ひとりひとりが自分の暮らしを選ぶために

重い障害があるからといって、暮らし方の選択肢が限られているとは限りません。

重度訪問介護という制度を活用することで、自分にとって安心できる環境を選び、地域で生活を続けている人が実際にいます。

もちろん、制度の利用にはいくつかのハードルがあり、環境やタイミングによってすぐに実現できるとは限りません。

それでも、「こんな暮らし方もできる」という実例を知ってもらうことで、将来の選択肢を考えるきっかけになればと思っています。

障害のある方やそのご家族、支援に関わる方で、制度のことで悩んでいることがあれば、ご相談ください。 私の経験が何かの参考になれば幸いです。

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