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甲状腺の手術で10日間入院。重度訪問介護のヘルパー支援を受けた感想

こんにちは。かむしぃの石毛です。

前回の記事「重度訪問介護の入院時ヘルパー派遣が抱える現場の課題」の続編です。

今年4月末から5月のGWにかけて、甲状腺の手術のため10日間入院しました。その際、重度訪問介護のヘルパーさんに付き添ってもらいました。

「看護師の方で対応するので大丈夫です」。制度の認知と理解の差

入院が決まり、ヘルパー支援が必要なことを伝えた際、最初は「病棟と外来の看護師で対応しますので大丈夫ですよ」と言われました。

私の身体の状態では、看護師だけのサポートで入院生活を送るのはかなり難しい。体位変換のコツや細かなケアは、毎日一緒にいるヘルパーさんだからこそ把握しているものです。看護師さんにとっても、障害者の生活介護は医療とは別の専門領域です。

また、重度訪問介護のヘルパーが入院中に同行できる制度は、2023年に厚労省が正式に発表しています。当事者も医療関係者も、この制度を知らないのが現状です。

入院中の「重度訪問介護の利用」について、制度を知ってもらうことから始めました

障害者のこと、福祉のことなどは、社会や地域、そこに携わる人々が共有している情報や認識の差が多いため、その差を埋めていくことからのスタートです。

まず、厚労省が発表している制度資料をプリントアウトし、関係者に共有することからはじめました。
最初に説明したのは、普段お世話になっている往診の先生です。先生も制度を知らなかったものの、入院先の病院に働きかけてくれました。
入院先でも、主治医や看護師に直接、制度の内容とヘルパー付き添いが必要な理由を丁寧に説明しました。

病院側にとってはイレギュラーなケースですが、ていねいに説明を続けたところ、入院中のヘルパー支援について、前向きに取り組んでいただきました。

あわせて、私自身の生活習慣や大切にしている意向をまとめた資料も渡しました。必要な情報を事前に共有しておくことが、お互いの安心につながります。

入院中のヘルパーの存在は、病院の関係者にとってもメリットがあります。

看護師さんは医療のプロですが、体位移動などの生活介護は専門外です。 私だけで口で説明しても、コツや必要性がなかなか伝わりにくい。 そんなとき、ヘルパーさんが実際にやって見せることで、「なるほど!」と看護師さんも参考にしてくれる場面もありました。

百聞は一見にしかずではないですが、それぐらい、身体介助については、不慣れな人同士が口頭のみで伝え合うのはとっても難しいのです。

今回の入院時のヘルパー派遣、実施に至るまでに、看護師さんたちを中心に、何度も打ち合わせをしていただいたとのこと。

病院としても、看護師さんたちにとっても初めての試み。実際にどうでしたか?と聞いてみました。 看護師さんから「ヘルパーさんがいることで看護側の負担も減り、とても良かった」という感想をもらいました。
この制度の利用は、当事者である私たちだけでなく、医療側にとってもメリットがあると実感しました。

ちなみに、病院は私が自分で押せるナースコールを何種類も用意して待っていてくれました。身体や手の動きに制限がある私でも使えるよう、事前に考えてくれていたようで、その準備のていねいさには正直驚きました。 実際にはヘルパーさんが付き添っているので、通常のナースコールで十分でしたが(笑)。

大切なのは、知ろうとすること・働きかけること

今回の入院を通じて感じたのは、「制度があるからやる、ないからやらない」という表面的な話ではないということです。

この制度は、一朝一夕にできたものではありません。「入院中もヘルパーの支援が必要」とその重要性を認識し、制度化に向けて法改正や現場への働きかけを重ねてきた関係者たちがいます。

それだけの必要性があって生まれた制度ですが、まだ当事者にも、そして病院をはじめとする周囲の関係者にも、十分に知られていないのが現状です。

入院をあきらめてしまうほどの不安

当事者以外の人から見れば、「入院中は看護師さんがいるから大丈夫では」と思われがちかもしれません。しかし、自分の身体や状況を熟知しているヘルパーさんがいない入院生活は、強い不安をともないます。

そのため、病院側から「前例がない」「対応できない」と言われた際に

  • 「従うしかない」と思い込んでしまう
  • ヘルパーさんが入れないなら、入院自体をあきらめざるを得ない

必要な医療にアクセスすること自体を躊躇してしまう人が少なくありません。

だからこそ大切になるのが、まず「こういう制度があるんだ」と知ろうとすること。そして、働きかけることです。

ていねいな準備とコミュニケーション

病院側も、決して悪気があって断っているわけではなく、「制度を知らない」「どう対応していいか分からない」というケースがほとんどだと思います。

だからこそ、ていねいな準備やコミュニケーションが状況打破、解決の「かぎ」になります。

とはいえ、体調が優れない中で、病院との事前の段取りや、初めての制度を説明するやり取りをこなすのは、経験がなければ難しいものです。得意・不得意もあります。

「うまく説明できるか不安」 「断られたらどうしよう」

と、一歩を踏み出せずことを躊躇したり、断念する気持ちも十分理解できます。

そんなときは、かむしぃにご相談ください。 私が知っている制度の背景や、今回の入院経験、あるいは具体的な段取りをもとに、次のステップを一緒に考えます。

当事者の方、ご家族、そして日頃から障害者の生活を支えているヘルパーの皆さん。制度があることを知り、活用することをあきらめないでください。

そして、病院関係者の皆さん。こうした制度の存在を知っていただき、当事者が抱える背景や不安に耳をかたむけ、受け入れの形を一緒に模索していただけると幸いです。

参考資料(公式リンク)

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