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重度訪問介護の「入院時ヘルパー派遣」が抱える現場の課題

こんにちは、「かむしぃ」の石毛です。

私は24歳の時に交通事故で頸髄損傷を負い、それ以来、毎日24時間に近い長時間の介護を受けて生活を送っています。
今回は、重度訪問介護の利用者が入院する際にヘルパーを派遣できる制度について、私自身が病院側と調整を行う中で直面した現状をお伝えします。

医療現場における「制度」の認知状況

重度訪問介護には、入院中もヘルパーが病院内で支援を継続できる仕組みがあります。これは、国や東京都からも、医療従事者との意思疎通を補助する重要な役割として通知が出されている公的な制度です。

しかし、実際に診察や入院手続きの場で話をしてみると、医師、看護師、事務職員を含め、この制度自体が十分に知られていないと感じる場面が少なくありません。

制度の内容を説明しても、「入院中のケアはすべて病院スタッフが行うもの」「外部の人が病棟に入ることはできない」といった反応が返ってくることがあります。
東京都の事務連絡(令和5年12月14日付)でも、制度が十分に周知されていない現状が指摘されていますが、病院側が制度の受け入れを前提とした運用を想定していないケースが多いのが実情です。

「日常的に把握している身体特性」と「病院標準ケア」の役割のズレ

病院側では「本人が意思を伝えられるのであれば、病院スタッフによる対応で足りる」と判断されることが少なくありません。しかし、そこでは日常的な介助の中で蓄積されてきた身体特性の把握が考慮されないことがあります。

言語化が困難な身体変化の把握

呼吸状態のわずかな変化や、自律神経過反射の前兆となる血圧変動など、日常的に介助しているヘルパーだからこそ気づける身体のサイン。

個別化された具体的な介助技術

褥瘡を防ぐための体位調整や、その人固有の身体特性に合わせた介助方法。
これらは医療行為ではなく、日常生活の延長として本人の状態を安全に保つための知見です。

国の通知(令和5年11月20日付)では、支援者の役割は医療や看護の代替ではなく、本人の状態を熟知した立場から医療従事者との意思疎通を補助することとされています。
適切な体位変換の方法を看護師に伝えるといった関わりも想定されていますが、こうした役割分担が十分に共有されないまま、受け入れが難しくなるケースが多く見られます。

「制度」を現場で機能させるために、各関係者が取り組むべき課題

この問題は、ルールの周知不足と、現場における役割分担の調整不足という二つの側面から成り立っています。解決に向けて、それぞれの立場で以下の視点を持つことが必要です。

障害当事者・介護事業者の皆さん

実際に入院の手続きを進める中で、こうした壁があるという事実を共通の課題として捉え、根拠(通知)に基づいた事前の働きかけを強めていきましょう。

医療従事者の皆さん

患者の身体特性を熟知したヘルパーと連携することが、結果として予期せぬトラブルを防ぎ、療養の安定(医療安全)につながるという制度の目的を理解とご協力をお願いします。

行政職員の皆さん

事務連絡の発信に留まらず、医療機関が実際にどのような手順でヘルパーを受け入れ、どう役割を分担すべきか、現場に即した具体的な運用支援をお願いします。

入院時のヘルパー付添いは、医療と介護のどちらが正しいかを判断する制度ではありません。
入院という場面で、本人にとって何が必要かを関係者で共有するための仕組みです。
現場での調整が難しい状況があるからこそ、制度の趣旨が正しく伝わり、実際の運用につながっていくことを願っています。

参考資料(公式リンク)

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