検証への参加について
先日、東京駅の東海道新幹線ホームで行われた、段差・隙間の縮小対策に関する検証に参加しました。
この検証は、JR東海(東海旅客鉄道株式会社)が進めているバリアフリー対策の一環として、新幹線ホームと車両の段差・隙間を縮小した箇所の利用しやすさを評価し、今後の改善策を話し合うことを目的に実施されたものです。対象となるのは、東京駅や新大阪駅など、一部の新幹線駅の整備済み箇所でした。
検証は、エコモ財団(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)とDPI(障がい者インターナショナル日本会議)の協力のもとで実施され、当日は関係者が現地で乗降の様子を確認しながら意見交換を行いました。
バリアフリーに関する取り組みには、これまでも当事者としてさまざまな形で関わってきました。検討の場で意見交換をしたり、調査や検証への協力、講師やアドバイザーとしてお話しする機会もあります。今回の検証には、これまでのご縁もあり、当事者として参加しました。
実際の乗降の様子
私は電動車いすで乗降の検証を行いました。下の写真は、東京駅18番線の11号車乗降口から降りる場面の様子です。

「よりスムーズに乗り降りできる環境へ」——検証を通じて感じたこと
今回の検証を通じて、ホームの整備状況や車いすの種類によって、単独で乗り降りできる場合とそうでない場合があることが分かりました。
電動車いすではスムーズに乗れるところもありましたが、前輪が小さい簡易電動車いすや手動車いすでは、段差や隙間の影響を受けやすく、単独での乗り降りが難しい場面もありました。
それでも、段差や隙間の解消が進んだことで、より安全に乗り降りできる環境が整いつつあり、多くの人にとって使いやすい駅になってきていると感じます。こうした改善が、東京駅や新大阪駅だけでなく、全国の駅にも広がっていくことを願っています。
また、今回の検証や意見交換を通じて、単独で乗れるケースやサポートが必要なケースを、当事者も駅側もスムーズに判断しやすくなることが大切だと改めて感じました。
すべての人が安心して利用できる環境を目指して
今回の検証は、東京駅の東海道新幹線ホームのバリアフリー化をさらに進めるための重要な取り組みのひとつでした。
当日は、JR東海や国土交通省の職員の方々も現場で乗降の様子を確認しながら、改善策について熱心に意見を交わしていました。こうした積み重ねにより、公共交通機関や施設をより使いやすくし、すべての人が安心して移動できる環境につながっていけばと思います。
DPI日本会議のブログに、今回の検証について詳しく掲載されていますので、ぜひご覧ください。
→ DPI日本会議のブログ記事はこちら
バリアフリー推進への協力と想い
今回のようなバリアフリー検証には、当事者として協力させていただいています。すべての人が安心して移動し、暮らしやすい社会をつくるために、こうした取り組みはとても大切なステップだと感じています。
また、かむしぃの代表としても、自分の経験を活かし、社会に役立てる活動を続けていきたいと考えています。
- 公共交通機関のバリアフリー検証への参加
- 施設や公共スペースのバリアフリー調査・提言
- 行政・企業との意見交換や改善策の提案
ひとつひとつの取り組みを通して、より良い環境づくりに貢献していきます。
補足情報
エコモ財団(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)
バリアフリーやユニバーサルデザインの推進を目的とした調査・研究・支援を行っている団体。
公式サイト: https://www.ecomo.or.jp
DPI(障がい者インターナショナル日本会議)
障害者の権利擁護や政策提言を行う団体で、バリアフリー施策にも積極的に関わっている。
公式サイト: https://www.dpi-japan.org